
アパレル業界のSNSを活用した集客方法
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アパレル業界のSNSを活用した集客方法
- 2021-08-11

昨今アパレルメーカー・ブランドでSNSを用いて集客するケースがよく見られます。SNSを使って発信すると、直接的な販売につながるだけでなく、ブランド認知度が高まって波及的な効果も期待できます。 しかし一概にSNSといってもその種類は様々。一体どのサービスを使ったサービスが自社に向いているのか、中々違いを理解するのは難しいですよね。 この記事では、各サービスの特徴と実際の使用例、メリット・デメリットをまとめています。 是非今後のSNS活用に活かしてみてください!
目次
1. サービスごとの特徴・機能・使用例
①Instagram
【特徴】 Instagramの最大の特徴は写真(動画)の投稿に特化しているところです。 ユーザーは自分の好きなブランドを検索してフォローする他に、「#(ハッシュタグ)」を用いて自分好みのブランドを探すこともあります。 ハッシュタグを上手く利用することで、新規顧客も既存顧客も関係なくアプローチが可能になるでしょう。 ※#(ハッシュタグ)・・投稿に対して任意でつけるキーワード。ハッシュタグ検索をすることで、似たような投稿が一覧表示されます。例)#ニットコーデ、#おしゃれさんと繋がりたい、ブーツコーデ ちなみにInstagramはFacebookの傘下企業で、アプリ同士の連携もできます。国内月間アクティブユーザー数は3300万人で、10~30代の利用者が多いです。
- 写真や動画の投稿
- ストーリー(24時間で自動消去されるコンテンツ)
- フォロー
- DM(ダイレクトメッセージ)
- いいね!
- コメント
- シェア
- 保存
【機能】 ※アカウントの作成について Instagramには通常アカウントとは別にビジネスアカウントが存在します。ビジネスアカウントは、投稿に対するユーザーのアクションの閲覧や、店舗の住所や営業時間、電話番号を記載することができます。集客ツールとして利用する場合、ビジネスアカウントで作成するほうが効率的でしょう。ビジネスアカウントも、通常アカウント同様に無料で作成可能です。
実際に活用するなら!
– 物撮りだけでなく、実際の利用シーンを撮影する
– ハッシュタグを活用(#ファッション好きな人と繋がりたい、#今日の服、#ootd など)
– オリジナルハッシュタグでUGCを発生させる
– UGCを引用して自分のアカウントで投稿する
※UGC・・User Generated Contents。ユーザーによって作られたコンテンツのこと。
【使用例】
GU
GUは基本的に全ての投稿に「#GU」「#ジーユー」のハッシュタグをつけており、GU製品を検索したユーザーが、公式アカウントの投稿にすぐたどり着けるようになっています。「gu_for_all_」のアカウントでは、「#着回しコーデ」や「#今日のコーデ」といったGUに特化しないハッシュタグをつけていて、GUを検索しなくても投稿が目に入る環境を生み出しています。
また、ショッピング機能を利用することで、ストーリーや投稿から商品の購入サイトに直接移動できるようにしています。
投稿で着用されているアイテムの名前や値段が記載されており、ユーザーが知りたい情報は投稿を見るだけで基本的に得られるようになっています。
②Facebook
【特徴】 本名で登録するため匿名性が弱いです。その特徴からビジネス層に利用されることが多いです。また、友達になったユーザー同士は知り合いであるケースが多いです。 文章・写真・動画どれかに特化しているということはなく、幅広く投稿されています。
- 文章・写真・動画投稿
- いいね!
- コメント
- シェア
- 友達になる
- グループ
- メッセンジャー
③Twitter
【特徴】 Twitterの国内月間アクティブユーザー数は4500万人で、日本人のおよそ3人に1人が利用している大規模のSNSです。10~20代の利用者が最も多く、1回の投稿に140字の字数制限もあるため、ラフな文章が受け入れられやすいでしょう。写真や動画の投稿も可能です。 Twitterは拡散力が高いことも大きな特徴です。- 文章・写真・動画投稿(ツイート)
- いいね!
- フォロー
- シェア
- ブックマーク
- リツイート
- DM(ダイレクトメッセージ)
実際に活用するなら!
– キャンペーン企画を投稿する(割引やプレゼントなど) – ブランドのつぶやきをしているユーザーのツイートをいいね・リツイート – ハッシュタグをつけて投稿 【使用例】 GU GUは絵文字をよく使った親しみやすい文章が特徴的です。 GU商品についてのユーザーの投稿にいいねしていて、GUについての投稿をよくチェックしているといえるでしょう。 ブランドのハッシュタグをほぼ毎回投稿につけていて、検索でヒットしやすいようになっています。④YouTube
【特徴】 YouTubeの国内月間アクティブユーザー数は6500万人。世界最大級の動画サービスです。利用用途の多様さも特徴で、メイクやファッション、スポーツ、料理など、非常に幅広い分野で利用されています。- 動画投稿(アップロード)
- 高・低評価
- コメント
- チャンネル登録
- シェア
⑤WEAR
【特徴】 WEARはダウンロード数1000万件を突破した、ファッションコーディネートに特化したサービスです。株式会社ZOZOのサービスで、ZOZOTOWNと連携しています。 20~30代女性の利用率が高く、Instagramと似た利用者層となっています。- コーディネートレシピ
- マイクローゼット
- SNS連携
- コーディネート投稿
- コメント
【使用例】
Crisp Crispは公式アカウントの他に、スタッフアカウントも作成しています。スタッフ自身がCrispを使ったコーディネートを投稿しており、より参考になる着回しを見ることができます。 また、ZOZOTOWNとCrisp公式ショップに連携しており、ユーザーは気になった商品をその場で購入できるようになっています。⑥LINE公式アカウント
【特徴】 LINEの国内月間アクティブユーザー数は8400万人。まさに国内最大のコミュニケーションツールといえるでしょう。利用率は10~40代すべて70%以上で、幅広い層に支持されているツールであることが分かります。 LINE公式アカウントは、企業が自社のLINEアカウントを作成し、そのアカウントを「友達追加」したユーザーに対してアプローチできるサービスです。既存顧客のリピートという側面が強いです。- メッセージ
- タイムライン投稿
- チャット
- リッチメニュー
- ショップカード
- クーポン・抽選作成
実際に活用するなら!
– 店舗にQRコードを設置 – タイムラインにセール情報を投稿 – 限定クーポンの配布【使用例】
UNIQLO 店舗で使える会員証や、チラシ・セールの告知を行っています。タイムラインも高頻度で更新されており、Webページの特集やアプリの宣伝がされています。
2. 各サービスのメリットデメリット
①Instagram
【メリット】
写真に特化しているため商品の見た目を打ち出しやすいことがメリットとして挙げられます。写真の取り方や加工を統一するなどしてコンセプトに合わせた写真を投稿すれば、世界観が作りやすいでしょう。(Instagram内での写真の加工も可能です。) また、セールなどの一時的なイベントを届けたいときにはストーリーを使用するのが向いています。ストーリーは24時間残り、自動消去されます。その後も残したいものはアーカイブとしてプロフィールに残して置くことも可能です。
Instagramはライブ配信も可能で、フォロワーとチャットを通じてコミュニケーションを取りながら商品を宣伝することが可能です。【デメリット】
Instagramは他のSNSに比べて拡散力が低いといえます。他の人の投稿をそのままシェアするボタンがないため、ユーザーのフォロワー間での投稿拡散はあまり期待できないでしょう。②Facebook
【メリット】
電話番号やWebサイトへのリンク等、基本データを掲載できます。基本的にユーザーは実名のため、ユーザー間の拡散に他のSNSよりも信頼性を得やすいといえるでしょう。
【デメリット】
若年層のアクティブユーザーが少ないことが、そこをターゲットにするブランド・メーカーにとってはデメリットに感じられるかもしれません。
③Twitter
【メリット】
拡散の手軽さが他のサービスよりも長けていて、ユーザーはボタン一つで投稿を拡散することができます。そのため「ハッシュタグをつけて投稿で参加」「フォロー&リツイートで参加」などユーザー参加型のキャンペーンとの相性がいいです。 商品情報を簡潔に伝えた投稿にWebページやECサイトのリンクを貼ることで、その投稿が拡散された際にリンクに誘導しやすくなるでしょう。 また、手軽にユーザーが投稿できるため、その分手軽に顧客の声を聞けることもメリットだといえます。投稿に対するコメントやエゴサーチから発見するのが定番です。 ※エゴサーチ・・自分の名前や運営サービス、自社のブランド名等を検索することで、その評判や評価を調べること。
【デメリット】
140字の字数制限があり、1つの投稿で伝えられる情報に限界があります。また、商品の見た目を伝えるのにはそこまで向いていないといえるでしょう。1度の投稿で掲載できる写真は4枚までで、全画面表示で写真を見るためにはタップが必要になります。
④YouTube
【メリット】
デフォルトで15分までの動画を投稿可能です。(設定すれば128GBまたは12時間の小さいほうまで投稿可能です。) 動画のリンクを様々な媒体に貼りやすいこともメリットでしょう。InstagramやTwitter等にリンクを貼ることで動画に誘導することができます。 ブランドによっては世界観を写真よりも伝えやすいかもしれません。
【デメリット】
ブランドの名前自体を検索しないと動画が出てこないことが多いため、動画から新規顧客を獲得することが難しいと考えられます。
⑤WEAR
【メリット】
ユーザーは基本的にファッションに興味がある人・コーディネートを探している人なので、他のサービスよりもピンポイントにアプローチできます。 コーディネートを掲載するサービスのため、顧客に使用感が伝わりやすいです。 フォルダ機能を使えばテーマに沿ったコーディネートをまとめて提案できます。
【デメリット】
ファッション感度の高い層へのアプローチとしては有効ですが、ブランドの認知度向上としては効果が弱いでしょう。
⑥LINE公式アカウント
【メリット】
1to1のコミュニケーションを得意とするツールで、個人間でやり取りするのと同様に、チャットを使って顧客と直接やり取りすることができます。チャット画面でクーポンやアンケートを配布することも可能です。 また、店舗にQRコードを掲示することで気軽に登録を促せます。 メルマガと異なり、登録している人に確実に情報を届けられるのもLINEの大きな特徴だといえるでしょう。一般的にLINE公式アカウントの開封率はメルマガの4倍とも言われています。
【デメリット】
ユーザー自身が普段多用するツールのため、あまりにメッセージを送りすぎた場合などはミュートされたりブロックされたりする可能性があります。